はじめに
2025年、政府は外国人労働者の受け入れを拡大するため、在留資格「特定技能」の対象分野として、新たに「倉庫管理」「廃棄物処理」「リネン供給」の3分野を追加する方針を固めました。この決定により、特定技能制度はさらに充実し、人手不足が深刻な業界での外国人材活用が期待されています。
特定技能制度とは
特定技能制度は、2019年4月に創設された在留資格制度で、深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れる制度です。現在、介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業などの分野で受け入れが行われています。
新たに追加される3分野の概要
1. 倉庫管理分野
ECサイトの普及や物流需要の増大により、倉庫業界では深刻な人手不足が続いています。特定技能「倉庫管理」では、以下のような業務が想定されます:
- 商品の入出庫管理
- 在庫管理システムの操作
- ピッキング作業
- 梱包・仕分け作業
- フォークリフト等の機械操作(資格取得後)
2. 廃棄物処理分野
環境意識の高まりとともに、適切な廃棄物処理の重要性が増しています。特定技能「廃棄物処理」では、以下のような業務が対象となります:
- 一般廃棄物の収集・運搬
- 産業廃棄物の分別・処理
- リサイクル作業
- 処理施設の運転・管理
- 環境データの記録・管理
3. リネン供給分野
ホテル・病院・介護施設等でのリネン需要増加により、リネン供給業界でも人材確保が課題となっています。特定技能「リネン供給」では、以下のような業務が含まれます:
- リネン類の洗濯・乾燥
- 仕上げ・アイロン作業
- 品質管理・検査
- 配送・回収業務
- 在庫管理
企業側のメリット
人材確保の選択肢拡大
これまで人材確保に苦慮していた業界において、新たな人材確保の選択肢が生まれます。
即戦力となる人材の確保
特定技能制度では、一定の技能水準を満たした外国人材を受け入れるため、即戦力として期待できます。
長期的な雇用関係の構築
特定技能1号では最長5年間、条件を満たせば(一部分野を除く)特定技能2号へ移行も可能で、長期的な雇用関係を築けます。
受け入れ企業の要件と手続き
基本要件
- 適切な雇用契約の締結
- 外国人材への適切な支援体制の整備
- 労働基準法等の関係法令の遵守
- 分野別の固有要件の充足
必要な手続き
- 受け入れ機関としての届出
- 雇用契約の締結
- 在留資格認定証明書交付申請
- ビザ申請手続きの支援
- 入国後の生活支援
外国人材に求められる要件
技能水準
各分野で定められた技能試験に合格することが必要です。試験内容は実務に即した実技試験と学科試験で構成される予定です。
日本語能力
日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストA2以上の合格が必要です。
その他の要件
- 18歳以上であること
- 健康状態が良好であること
- 退去強制の対象となっていないこと
- 各分野の個別要件を満たしていること
支援体制の整備
特定技能外国人を受け入れる企業は、以下の支援を提供する必要があります:
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本の生活に関する情報提供
- 住居確保の支援
- 社会保障手続きの支援
- 税務手続きの支援
今後のスケジュール
政府は2025年度12月に閣議決定を目指し、2027年にも企業が採用を始められるように在留資格の制度の変更が予想されます。
まとめ
特定技能制度への新分野追加は、人手不足に悩む企業にとって大きな機会となります。しかし、制度を適切に活用するためには、正確な情報収集と適切な手続きが不可欠です。外国人材の受け入れをご検討の企業様は、ぜひ身近な専門家や行政書士にご相談ください。
※下記参考HP 日本経済新聞 URL



